米国の現物イーサリアムETFが、突然ビットコインETFより大きな市場になったわけではない。変化したのは足元の資金フローの向きだ。ビットコインETFは大幅流入の週の後、4営業日連続で資金流出に転じた一方、イーサリアムETFは9月8日〜11日の期間を純流入で終えた。
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この差は、機関投資家の相対的な需要という点でETHの評価材料となった。ただし、ETH対BTCの長期的な優劣に結論を出すものではない。
4取引日で起きた資金フローの反転
9月4日終了週には、ビットコインETFへの純流入は約9億8,670万ドルで、米国のイーサリアムETFの2億1,530万ドルを大きく上回っていた。
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しかし、次の4取引日では流れが逆になった。
- ビットコインETF:9月8日〜11日に合計4億6,270万ドルの純流出。3週間続いた純流入が途切れた。
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- イーサリアムETF:同期間に合計1億9,690万ドルの純流入。
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- 9月9日:ビットコインETFは1億2,020万ドルの純流出、イーサリアムETFは3,475万ドルの純流入。
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- 9月10日:ビットコインETFでは2億8,270万ドルが流出し、4日間で最大の流出日となった。
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- 9月11日:ビットコインETFはさらに1,329万ドルの純流出。一方、イーサリアムETFには約2億1,600万ドルが流入し、週次ベースの合計をプラスへ押し上げた。
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重要なのは、金額の絶対比較よりも方向転換である。9月前半のビットコインの優位は大きく、4日間の反転後も、ビットコインETFの9月累計フローは約3億730万ドルの純流入だったとの報道がある。
2 一方、提供された情報には、同一基準で比較できるイーサリアムETFの月間累計値が一貫して示されていない。したがって、「ETHが9月全体でBTCを確実に逆転した」と断定するのは適切ではない。
規模の違いも大きい。9月4日終了週までに、米国の現物ビットコインETFは設定来で約556億9,000万ドルの累計純流入を集めていた。
7 短期のフロー比較と、商品群全体の規模は別の話だ。
ETHが持つ「ステーキング」という差別化要因
イーサリアムでは、ETHをステーキングしてネットワークの安全性維持に参加し、プロトコル報酬を得られる可能性がある。価格への連動だけでなく、ネイティブな利回りを得る可能性がある点は、BTCにはない特徴だ。
そのため機関投資家にとってETHは、利回りを生まない価値保存資産へのエクスポージャーだけではなく、利回りを伴いうるデジタル資産として捉えられる余地がある。ただし、これは単純な上乗せメリットではない。ステーキングにはバリデーター運用、流動性、手数料、スラッシング(ペナルティ)などのリスクがあり、関連商品の規制上の扱いも投資判断を左右する。
利用可能な情報は、機関投資家による大規模なステーキング活動の存在を示している。ただし、9月のETF資金流入のどれほどがステーキング機能によって生じたかは示していない。ステーキングはETHの魅力の一部になり得るが、今回のフロー格差の原因として実証されたわけではない。
BitMineの保有・ステーキングが示すETHの集積規模
企業トレジャリーによる購入とステーキングは、市場で直ちに取引できるETHが減っているという見方を支える要素だ。
BitMineは8月30日時点で590万ETHを保有し、このうち506万7,309ETHをステーキングしていると報告した。
34 その後の報道では、前週に2万7,180ETHを取得した後の保有量は595万6,378ETHで、ETH供給量のおよそ4.88%に相当するとされた。
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ステーキング中のETHは、流動性の高いウォレットにあるETHよりも、一般にすぐ売買に回しにくい。また、ETFの設定に伴うカストディ保管や企業トレジャリーの長期保有も、取引所の板で直ちに売買されるコインを減らす可能性がある。
もっとも、「すぐには取引されにくい」ことと「永久に供給から消える」ことは同じではない。ステーキングしたETHはいずれ引き出せる可能性があり、ETFや企業トレジャリーの保有分も売却され得る。取引可能な浮動量が縮小すれば追加購入への価格感応度は高まりうる一方、大口保有者が売りに転じれば、逆方向にも感応度が高まる。
取引所残高・流動的供給について断言できないこと
今回の材料からは、ETF需要、BitMineの保有、同社が報告したステーキング活動を通じた、定性的な供給引き締めの議論は可能だ。しかし、イーサリアムの取引所残高がどれだけ減ったか、直近の取引所からの出金量はいくらか、あるいは「流動的供給」が合計でどれほど減少したかを、信頼できる直接引用付きの数値として示すには情報が不足している。
この区別は重要だ。取引所残高データは有用になり得るが、同じオンチェーン分析手法と同一の観測期間で測定されなければならない。そうした条件がないまま、供給引き締めを精密な数値触媒として扱うことは、証拠の範囲を超える。
ETH/BTCは改善、それでもマクロと季節性は残る
イーサリアムETFへの純流入とともにETH/BTC比率が改善したことは、この期間にETHへの相対需要が強まったことを示唆する。ある報道では同比率は約0.0318で、1月下旬以来の高水準とされた。
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ただし、相対的な強さは将来の予測ではない。リスクオフ局面の暗号資産市場では、ビットコインがより底堅い資産と見なされてきた。マクロ環境のショックが起きれば、機関投資家の配分がBTCへ戻る可能性はある。焦点は、イーサリアムETFへの需要、企業の蓄積、ステーキングが、より厳しい市場環境でも続くかどうかだ。
目先の注目材料:CLARITY ActとFRB
このフロー反転の局面では、二つのイベントが注目された。
- CLARITY Actを巡る手続き:参照された米上院の動きは、法案の最終可決ではなく、審議を始めるための手続き上の動議だった。
3 進展すれば米国のデジタル資産市場に関するルール明確化への期待を支え得るが、停滞や不成立はこの期待を弱める。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)の会合:ビットコインのそれまでの上昇は、8月19日〜9月4日に米国の現物ETFへ流入した33億4,000万ドルと重なっていた。その後、4取引日連続の流出に転じた。
5 金融環境がより緩和的になるとの見方はリスク資産を支え得る一方、タカ派的なサプライズはETFフローや供給面の好材料を上回る可能性がある。
まとめ
9月のETH優位は、主としてビットコインETFの急反転によって生まれた。BTCファンドが4取引日で4億6,270万ドルを失ったのに対し、ETHファンドは1億9,690万ドルを集めた。
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ETHにはステーキングという機関投資家向けの差別化要因があり、BitMineの報告した大規模な取得・ステーキングは、即時に市場で取引されるETHの外側に多くの保有が置かれている可能性を浮き彫りにした。
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強気の見方では、取引可能なETHの浮動量が限られるなら、継続的な買いが価格へ与える影響は大きくなり得る。一方で、取引所残高の減少を正確に数量化する証拠や、ステーキングがETF流入を直接生んだことを裏付ける証拠は、今回の情報だけでは十分ではない。マクロ政策、規制、そして資金流入が持続するかどうかが、単一の供給ストーリー以上に重要であり続ける。