Primotionが公表した最初の成果は、ロボット用チップではなく、ロボットに知覚や動作をさせるAIモデル「Paimon-0」だった。同社の独自チップはまだ開発初期にある。モデル、実行ソフト、計算基盤を並行して作り、ロボットに必要な計算能力を見極めてからチップ設計に反映する――それが同社の説明する「モデル先行」の狙いだ。
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ただし、ベンチマークの順位は一括りにできない。複数のメディアがPaimon-0をRoboCasa365の首位と報じた一方、同ベンチマークの10月19日更新の公式ランキングでは4位だった。
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チップの前にモデルを発表
Primotionは2026年7月に設立されたと報じられている。会社が初めて事業の進捗を公表したのは10月16日で、Paimon-0と、総額約1億元に上る購入意向を発表した。これは契約済みの売上ではなく、あくまで購入の意向だ。同社独自のチップは、この時点で開発初期段階にあった。
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同社は、モデルと実行ソフトをチップとは別々に設計するのではなく、ロボットの実際の動作に必要なものとして一体的に開発する方針を掲げている。モデル、ランタイムソフト、計算プラットフォーム、専用チップを連携させるという考え方だ。
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ベンチマークの好成績と、順位をめぐる注意点
報道によると、Paimon-0はRoboColiseumで総合スコア0.7754を記録し、汎用操作のサブ評価では0.6613、外乱への適応を測る評価でも首位に立ったという。VLA-Arenaでは平均成功率0.73、両腕ロボットのポリシーチャレンジでは46.599点と報じられている。
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一方、RoboCasa365については順位の確認が欠かせない。メディア記事は総合スコア58.1で首位と伝えているが、10月19日更新の公式ランキングでは、同じ58.1点で4位に記載されている。公式記録には、単一タスクの成功率が79.3%、既知の組み合わせタスクが55.8%、未知の組み合わせタスクが36.7%ともある。
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したがって、「RoboCasa365で首位」という主張を紹介する際は、公式ランキングの掲載時点では4位だったことも併記するのが適切だ。また、ベンチマークのスコアは所定の評価条件での結果であり、実環境のロボットでも同じ性能が出ることを、それだけで証明するものではない。
モデル先行でチップに必要な条件を探る
Paimon-0は「階層型・非同期ワールドアクションモデル(WAM)」として説明されている。視覚、言語、ロボットの状態、動作を共通の表現にまとめ、異なる時間スケールで処理を連携させる構成だ。複雑な推論の完了を待たなければ動作できない状況を減らすことを目指すという。
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Primotionは、実行時の評価やクラウドと端末の連携を通じて、ロボットに必要な計算能力を把握し、チップ設計に生かす考えを示している。
18 利用現場のタスクやモデルの動作からハードウェア要件を探る、という大枠は同社の説明から読み取れる。ただし、公開された情報だけでは、より細かな技術構成のすべてを独立に確認できるわけではない。
「300ミリ秒」は制御ループの速さではない
10月26日の記事では、Paimon-0の行動チャンク推論に300ミリ秒かかると報じられている。
7 これは、モデルがひとまとまりの動作を推論する時間についての数字だ。参照できる情報からは、比較対象となる「3,000ミリ秒」の測定条件や、ロボットの低レベル制御ループの周期が変わったことまでは確認できない。
行動チャンクの推論時間と、モーターなどを制御するループの周期は別の指標だ。そのため、この300ミリ秒を「ロボットの制御が10倍速くなった」と言い換えることはできない。
現時点で見えているのは、Primotionがチップの完成を待たず、モデルを通じてロボット向け計算基盤の考え方を示そうとしていることだ。報告されたスコアは初期の手掛かりになる一方、RoboCasa365の順位差や推論時間の測定条件には留保が必要だ。