Appleは、コスト増を自社で吸収することも、販売価格に転嫁することも、両者を組み合わせることもできます。ただし値上げ幅が大きくなるほど、Proモデルが買い替えを促すだけの価値を備えているかが重要になります。
秋の新製品ラインアップがProモデルと高価格の折りたたみモデルを中心とするなら、Appleの**平均販売価格(ASP)**はほぼ確実に上昇します。販売可能な製品の構成そのものが、高額モデルに偏るためです。折りたたみiPhoneについては、一般的なスマートフォンを大きく上回る価格になるとの予想もあります。
この戦略には、相反する2つの効果があります。
重要なのは、ASPが上がるかどうかだけではありません。報道どおりの製品構成になれば、ASPは上昇する可能性が高いでしょう。投資家が見極めるべきなのは、1台あたりの追加売上高と利益が、購入延期や買い替え率の低下、供給不足による機会損失を上回るかどうかです。
現時点で報じられている主なアップデートには、A20 Proチップ、カメラ機能の強化、Dynamic Islandの小型化などがあります。 ただし、ネット上で広がっているその他の仕様を含め、Appleはまだ正式発表していません。
初の折りたたみiPhoneについては、製造上の問題が懸念されていたものの、通常のiPhone発表時期である2026年9月に、Proモデルと同時発表されるとの報道があります。 もっとも、初代折りたたみモデルには、ディスプレー、ヒンジ、製造歩留まり、部品調達など、通常のスマートフォンにはない実行リスクが伴います。
発売スケジュールも確定していません。サプライヤー関連の報道では、Proシリーズは2026年秋、標準のiPhone 18は2027年第1四半期に発売される可能性が示されています。iPhone 18eと第2世代のiPhone Airも、2027年春の登場がうわさされています。
Appleは、発表イベントの日程、製品名、価格、発売日をいずれも確認していません。
Appleの2026年度第3四半期決算は、高価格帯の製品を販売する力がなお健在であることを示しました。6月期の売上高は前年同期比16%増の1094億ドルで、6月期として過去最高を更新。iPhone売上高は22%増の543億ドル、希薄化後1株利益(EPS)は29%増の2.02ドルでした。
この数字は、価格が上がってもApple製品への需要が維持される可能性を示しています。一方で、粗利率50.1%には関税還付による約2ポイントの押し上げ効果が含まれていました。EPSにも、関税還付による0.11ドルのプラス影響がありました。
つまり、決算はAppleの事業基盤への信頼を支えるものですが、より高価なiPhone 18が成功することを保証するものではありません。今後は、部品の供給状況、メモリ価格、標準モデルの発売延期が9月期の業績にどう影響するかを分けて見る必要があります。
強気派の見方は明快です。Appleは年末商戦に高利益率のProモデルを集中投入し、値上げによって部品コストの上昇を吸収できます。折りたたみiPhoneが話題性のある新カテゴリーとして機能すれば、顧客1人あたりの売上高をさらに引き上げられる可能性があります。直近のiPhone売上高の伸びも、需要が明確に崩れているわけではないことを示しています。
一方、弱気派にも具体的な根拠があります。価格が上がれば買い替え率が下がる可能性があり、秋のラインアップが高価格モデルに偏れば、価格に敏感な顧客を取り込む余地が狭くなります。さらに、Appleが必要とするProモデルや折りたたみモデルの供給が制約されれば、需要があっても販売につながりません。Bank of AmericaとMorgan Stanleyは、高価格の折りたたみiPhoneに成長余地がある一方、ディスプレーコストが粗利率を圧迫するリスクも指摘しています。
投資家にとって決定的な材料になるのは、うわさではなく実行結果です。確認された販売価格、発売時の在庫、初期の実売状況、Proモデルへの需要集中度、そしてその後の決算が判断材料になります。
現段階でのiPhone 18計画は、Appleの平均販売価格を高めるという筋の通った仮説を示しています。しかし、それだけでiPhone全体の売上高、販売台数、あるいはAAPL株の上昇が約束されたわけではありません。