目玉の1つが Gemini 3.5 Flash です。
Googleによれば、このモデルは Gemini 3.1 Proをほぼすべてのベンチマークで上回りながら、約4倍の速度で動作します。
高速でコスト効率の高いモデルは、次のような用途で重要です。
つまり、AIを数十億回レベルで使うGoogleのサービスにとって、速度とコストは直接ビジネスに影響する要素です。
もう一つの大きな発表が Gemini Omni です。
このモデルは、テキスト・画像・音声・動画などあらゆる入力から多様な出力を生成できるマルチモーダルAIで、最初は動画生成・編集機能から展開されます。
現在は次のサービスで利用が始まっています。
また、数週間以内に開発者向けAPIも提供される予定です。
この戦略の特徴は、AIを単独のチャットボットに閉じ込めるのではなく、Googleの既存プラットフォーム全体に埋め込むことです。
I/O 2026で特に強調されたのが 「Agentic AI(エージェント型AI)」 です。
これは、AIが単に回答するだけでなく、実際の行動を実行できる仕組みを指します。例えば次のような用途です。
その基盤となるのが Universal Commerce Protocol(UCP) です。
これはAIエージェントと店舗・サービス側が共通の仕組みで取引できるプロトコルで、Googleはこの仕組みを通じて 検索・Gemini・YouTube・Gmailなど横断で買い物体験を統合しようとしています。
モルガン・スタンレーの見方では、これらの発表の核心は Googleの巨大なユーザー基盤をAI時代でも維持・拡張できるかという点にあります。
Googleはすでに以下の巨大な流通チャネルを持っています。
AIエージェントをこれらに組み込めば、次のような可能性が生まれます。
つまり、AIモデルの性能競争だけでなく、既存サービスを収益エンジンとしてAI化する戦略が評価されています。
実は、ウォール街の見方はイベント前からかなり強気でした。
株価自体も好調で、過去1年間で約140%上昇し、I/O開始直前には 406.29ドルの高値を付けていました。
このため、I/Oの発表は「サプライズ」というより、市場の期待を裏付けるイベントだったと見るアナリストも多い状況です。
強気ムードの一方で、投資家が注目している課題もあります。
つまり、市場が今後見たいのは 新モデルの発表ではなく、AIが実際に利益を生む証拠です。
Google I/O 2026に対するモルガン・スタンレーの評価は、新しい強気材料というより、既存の強気シナリオの確認でした。
同社はすでに 目標株価375ドル、Overweight評価を提示しており、今回のAI発表はGoogleが検索、コマース、クラウドで生成AIを収益化できるという見方を強める材料となりました。
ただし株価がすでに高水準にある中、次の焦点は AIモデルの発表ではなく、エージェント型AIエコシステムがどれだけ持続的な売上と利益を生み出せるかに移りつつあります。