湾岸の石油輸出は10月、9月の水準から減少した。ただし、ホルムズ海峡を通過した原油・石油製品は8月より多く、地域全体の輸出量と海峡の通過量では異なる動きが見られる。
ロイターが報じた船舶追跡データによると、Vortexaが集計した原油・コンデンセート・石油製品の輸出量は、LPG(液化石油ガス)を除いて10月に日量1,710万バレル。9月の1,890万バレルを下回ったが、戦争前の水準の約75%に相当する。追跡会社は、貨物に関する情報が増えれば10月の推計値が上方修正される可能性があるとしている。
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一方、ホルムズ海峡に限った暫定データでは、原油と石油製品の合計通過量は10月に日量約1,030万バレルだった。9月からは減少したものの、8月より28%多い。
23 地域全体の輸出量と海峡の通過量は対象範囲が違うため、同じ系列として単純に比べることはできない。
10月の湾岸輸出量は9月を下回る
月ごとの比較で基準をそろえやすいのは、Vortexaが示したLPGを除く輸出量だ。10月は日量1,710万バレルで、9月の1,890万バレルから減少した。ロイターによると、別の追跡会社Kplerのデータも前月からの減少を示している。ただし、10月の推計は船積みに関する情報の追加で上方修正される可能性がある。
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9月の数字は、何を含めるかによって異なる。別のロイター報道では、VortexaがLPGを含む9月の原油・コンデンセート・石油製品の輸出量を日量1,920万バレルと推計し、戦争前の平均を約2,360万バレルとしていた。Kplerが報じた9月の石油輸出量は日量1,860万バレルだった。
32 これらは、10月の報道にある「LPGを除く」9月の1,890万バレルとは集計対象や追跡会社が異なる。ひとつの比較系列として扱うべきではない。
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また、10月22日のロイターの論評が引用したKplerの「10月これまで」の中東輸出量は日量1,730万バレルで、9月の1,640万バレルを上回っていた。
3 これは11月3日に報じられた、10月の月間輸出量が9月から減ったという結果とは方向が異なる。利用できる報道だけでは違いの理由を十分に説明できないため、月途中の数字を確定した月間比較として読むことはできない。
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ホルムズ海峡の通過量は8月比で増加
Argusが報じたVortexaの暫定データによると、10月のホルムズ海峡通過量は原油が日量850万バレル、石油製品が180万バレルで、合計約1,030万バレルだった。9月の合計1,185万バレルと比べると13.2%減少した一方、8月比では28%増加した。
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別のロイター報道では、Kplerが10月6日付の分析で、海峡を通過する原油を「少なくとも」日量1,010万バレルと推計した。前週の戦時中のピークから27%減り、9月平均と同程度で、戦争前の水準の74%に当たるとしている。
4 これは海峡を通る原油の数字であり、原油と石油製品を合わせたArgusの数値とは対象が異なる。
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海峡以外の輸出ルートも動いていた。ロイターによると、湾岸オマーン沿岸と紅海からの輸出量は日量670万バレルに増え、戦争前の水準の2倍を超えたという。
4 ただし、利用できる報道には、10月のホルムズ海峡・紅海・湾岸オマーンの輸出量を同じ定義でそろえた全体内訳は示されていない。
日々の変動とサウジアラビアの推計
月間平均だけでは、日ごとの大きな変動は見えにくい。ロイターが報じたKplerのデータでは、9月最終週の7日間のうち4日、湾岸地域の原油輸出量が戦争前の水準を上回った。該当日の暫定値は日量1,950万〜2,250万バレルだった。
6 これは日ごとの原油輸出量であり、LPGを除く10月の月間輸出量とは別の指標だ。
サウジアラビアの輸出については、10月の推計に追跡会社ごとの差がある。Gulf Newsによると、Vortexaは西岸と東岸からの出荷量を10月これまでで日量650万バレルとし、9月全体の660万バレルに近いと推計した。TankerTrackers.comは日量699万バレル、Kplerは日量540万バレルと見積もり、後者は9月を下回った。
10 対象期間や手法の異なる推計であり、ひとつの確定値ではない。Rigzoneが再掲した報道では、Vortexaによる紅海側、主にヤンブーからのサウジ輸出は10月これまでで日量250万バレルとされ、9月の240万バレルを上回った。
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10月の地域全体の変化に対するUAE、イラク、オマーン、クウェートそれぞれの寄与は、利用できる数字からは切り分けられない。9月のVortexa集計にはサウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、バーレーン、イラク、UAEが含まれ、イランは含まれていなかった。
32 ただし、参照した報道はイランを集計から除いた理由を説明していないため、理由を推測することはできない。
数値を見る際の注意点
船舶の位置情報が継続して確認できないと、船舶追跡による輸出量の推計は暫定的なものになる。ロイターは、船舶が海峡を通過する間やその後数日間、衛星追跡システムを停止することがあり、動きが後から確認されれば推計値が上方修正される可能性があると伝えている。
8 11月3日の報道でも、追跡会社は10月の推計が上方修正される可能性に言及した。
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一方、将来どの程度の修正があるのか、修正によって10月の減少が帳消しになるのかは、利用できる情報からは分からない。追跡会社間の数字の違いを比べる場合も、集計期間、対象地域、LPGを含むかどうかなどの違いを考慮する必要がある。現時点で確認できるのは、報道された湾岸全体の10月輸出量は9月を下回った一方、ホルムズ海峡の通過量は8月より多く、追跡情報の不足が推計の不確実性につながっているということだ。
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