石油会社のトレーディングは、単に先物価格の上下に賭ける金融取引ではない。実際の混乱局面では、どこから原油を調達し、どの船で運び、どの市場で売るかが利益を左右する。
具体的には、次のような経路で利益が生まれる。
ここに「掘る会社」と「動かす会社」の違いがある。BP、シェル、トタルエナジーズは長年、大規模な石油トレーディング機能を築いてきた。ロイター系報道は、それが現在の事業モデルの中核にあると説明している 。
BPは2026年第1四半期に、基礎的な再調達原価ベース利益、いわゆる基礎的RC利益で32億ドルを計上した。前年同期の13億8,000万ドルから2倍超となり、同じ報道で示されたアナリスト予想の26億7,000万ドルも上回った 。
この伸びは、イラン戦争が世界のエネルギー市場に与えた影響の中で、同社が「例外的」と表現した石油取引の貢献によるところが大きいと報じられている 。BPは、供給ショックをトレーディング能力が増幅した代表例といえる
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ただし、シェルの利益をすべて「取引益」と読むのは単純化しすぎだ。それでも、ロイター系報道はシェルをBP、トタルエナジーズと並べ、同四半期の市場の歪みから大きな取引収益を取り込んだ欧州メジャーの一角として位置づけている 。
トタルエナジーズは、2026年1〜3月期の純利益を58億ドルと発表した。Le Mondeによると、これは前年同期の約39億ドルから51%増で、中東での紛争と2月28日に始まったホルムズ海峡のほぼ全面的な停止により、同社の四半期業績は大きく押し上げられた 。
この局面は、欧州と米国の石油メジャーの事業モデルの違いを浮き彫りにした。ロイター系報道は、BP、シェル、トタルエナジーズの取引部門が供給逼迫から数十億ドル規模の利益を得た一方、シェブロンやエクソンは危機を同じようには収益化できなかったと伝えている 。
この利益は、投資家にとっては好決算でも、政治的には扱いが難しい。Euronewsは、エネルギー企業の利益急増を受け、欧州で超過利潤税、いわゆるウィンドフォール税を求める声が再燃したと報じた 。EUobserverも、シェルの利益急増をそうした課税圧力の高まりとともに伝えている
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2026年第1四半期の欧州石油メジャーの好決算は、単なる「原油高ボーナス」ではなかった。イラン戦争で市場が分断され、物流が乱れ、価格差が広がったことで、ボラティリティそのものが取引可能な資産になった。
BP、シェル、トタルエナジーズが強かったのは、原油を多く掘る力だけでなく、必要な場所へ素早く原油を動かす取引網と物流網を持っていたからだ 。油価上昇は追い風だったが、競争力の本体は、混乱した世界市場の中で原油をより柔軟に動かせる能力にあった
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