しかし対話への前向きな姿勢とは対照的に、中国側は台湾問題について明確な警告を発した。
習近平主席は会談の中で、台湾問題の扱い方を誤れば「衝突や対立」を招く可能性があるとトランプ大統領に伝えた。特に米国による台湾への武器売却を念頭に置いた発言とみられている。
報道では、台湾への武器売却は今回の会談での主要な対立点の一つだったとされる。
ただし、現時点での報道では、米国の対台湾武器売却政策を変更するような具体的な合意が成立した証拠はない。会談ではむしろ、双方がそれぞれの立場を示し警告を発する形にとどまったとみられる。
今回の北京首脳会談は、近年の米中関係でも特に幅広いテーマを扱った会談の一つとされる。
議論されたと報じられている主なテーマは次の通り。
こうした議題の広さは、米中関係が経済・技術・軍事・地政学のすべてで競争関係にあることを象徴している。
会談では公式協議だけでなく、5月15日に北京・中南海で習主席とトランプ大統領の個別会談も行われた。
両政府は今回の会談を、対立を抱えながらも関係を安定させるための取り組みの一環と位置付けている。中国側の説明では、戦略的安定に基づく「建設的な二国間関係」の新しいビジョンが示されたとされる。
米中関係の現実はシンプルではない。
競争は激化しているが、同時に両国とも直接衝突は避けたいと考えている。
今回、中国国防省が軍同士の対話強化を強調したのは、偶発的な海空の接触や技術競争、地域紛争がエスカレートするのを防ぐ安全弁としての意味がある。一方で、台湾のような「核心的利益」と位置づける問題では、中国が強硬姿勢を崩さないことも改めて示された。
つまり北京サミット後のメッセージは明確だ。
対話は拡大する。しかし、台湾問題という最大の争点は依然として解決していない。