ラグジュアリービジネスでは、こうした「定番商品の刷新」が極めて重要だ。長年売れ続けるアイコン商品を再活性化できれば、ブランド価値を損なわずに売上を伸ばすことができる。
2025年のもう一つの特徴は、初めてシャネルを購入する顧客の増加だった。
報道によると、ブレイジーの新しいデザインは従来の顧客層だけでなく、これまでシャネルを買ったことのない消費者にも訴求し、購買層を広げる効果を生んだ。
具体的な割合は公開されていないが、ラグジュアリーブランドが既存の富裕層顧客に依存しがちな中で、新規顧客の流入は重要な意味を持つ。
2025年のシャネルの主な数字は以下の通り。
地域別の詳細は限られているが、米国市場の需要が売上回復を支えたと報じられている。
市場が減速する中でも、シャネルは投資を止めていない。
同社は引き続き大規模な設備投資を行い、世界各地で新規店舗の開設を進めている。新しいブティックの多くは、中国や米国といった主要ラグジュアリー市場で計画されている。
こうした長期投資は、景気循環に左右されにくいブランド価値を維持するというシャネルの戦略を反映している。
2025年にシャネルは回復したが、成長スピードでは競合に及ばない面もある。
例えばエルメスは2025年に
という非常に高い収益力を示した。
一方、世界最大のラグジュアリーグループLVMHは2025年に約808億ユーロの売上を記録し、ファッション、ジュエリー、ワイン、化粧品など複数ブランドを持つ巨大ポートフォリオで規模の優位を維持している。
この比較から見ると、シャネルの2025年の成長は派手ではないが、減収からの確かな反転という点で意味のある結果だった。
シャネルの回復は、現在のラグジュアリー業界の特徴をよく表している。
需要が弱まる局面では、ブランドは
によって再び勢いを取り戻す必要がある。
ブレイジーによるクラシック商品の再設計と、新しい顧客層の流入。この2つが組み合わさったことで、シャネルは2025年に小さいながらも確実な復活を果たした。