さらに同社は、2026年通期の売上成長率をドルベースで30%以上と見込むと発表。AIチップ需要の強さが主因とされる。
現在のTSMC成長ストーリーの核心にあるのが、AIインフラの急拡大だ。
米国のクラウド企業やテック企業は、生成AIモデルや大規模AIサービスを動かすためのデータセンター投資を急拡大させている。こうしたシステムでは
といった特殊な半導体が大量に必要になり、その多くがTSMCの先端プロセスで製造されている。
アナリストは、AI関連収益が2026年にはTSMC売上の20%以上に達する可能性があると予測している。
需要は依然として供給能力を上回る場面もあり、この状況がTSMCの価格決定力と収益の見通しを支えている。
TSMCの最大の強みは、半導体受託製造(ファウンドリー)市場での圧倒的な地位だ。
市場調査によると、同社は世界の純粋ファウンドリー市場の約70%以上を握るとされる。
顧客には以下のような主要チップ設計企業が並ぶ。
これらの企業は最先端チップをTSMCに依存しており、同社の技術力は事実上の参入障壁となっている。
利益率の高さを支えているもう一つの要因が、先端プロセスの売上比率の上昇だ。
2026年Q1では
という構成になっている。
AIや高性能コンピューティング(HPC)用途では最先端プロセスが必須となるため、TSMCはより高価格の製品構成にシフトし、利益率の改善につながっている。
AIチップ需要に対応するため、TSMCは生産能力の拡張も急いでいる。
2026年の設備投資は 520億〜560億ドルの上限寄りになる見込みで、主に
などに投じられる予定だ。
設備投資の増加は短期的には減価償却費の増加を招く可能性があるが、長期的にはAI需要を取り込むための戦略投資と見られている。
ウォール街の評価は概ねポジティブだ。最新のアナリスト調査では、TSMC株はコンセンサスで「Buy」評価となっている。
ただし、評価額については意見が分かれる。
つまり、企業の成長力に対する評価はほぼ一致しているものの、「その価値がすでに株価に織り込まれているか」という点で見解が分かれている。
総合すると、TSMCの強気見通しは次の構造的要因に支えられている。
TSMCは単なる半導体企業というより、AIエコシステムの製造基盤に近い存在だ。AI計算需要が拡大し続ける限り、この企業はテクノロジー産業の中心的プレーヤーであり続ける可能性が高い。