同社の主力セグメントであるBaidu General Business(コア事業)の売上は約260億元で、前四半期とほぼ同水準だった。
ただし売上構成は大きく変化しており、AI関連サービスの比率が急速に高まっている。
今回の決算で最も注目されたのは、AI事業の急成長だ。
AI収益がコア事業の半分を超えるのは今回が初めてであり、百度の経営陣はこれを「AIが企業の主要な成長エンジンになった明確な証拠」と説明している。
このAIカテゴリには、以下のような事業が含まれる。
・AIクラウドインフラ
・生成AIや大規模言語モデルを活用したAIアプリ
・AIネイティブ広告サービス
・企業向けAI開発ツール
AI分野の中でも特に成長が目立ったのがクラウドインフラ事業だ。
生成AIの普及に伴い、モデルの学習(トレーニング)や推論に必要な計算資源の需要が企業で急増している。百度はクラウド、AIモデル、開発ツールを統合したフルスタックAIプラットフォームとして市場を狙っている。
その結果、企業向けAIワークロードの増加がクラウド事業の大きな成長ドライバーになっている。
一方で、百度の歴史的な収益源であるオンライン広告事業は依然として厳しい状況だ。
マクロ経済環境やデジタル広告市場の変化により、広告収入は減少傾向が続いている。複数の市場分析によれば、広告収益はAI事業の成長によって一部補われたものの、前年から大きく落ち込んだとされる。
ある推計では、オンラインマーケティング収入は前年比で約22%減少した可能性があるとも指摘されている。
これは、検索広告中心のビジネスモデルが構造的に変化しつつあることを示している。
百度は依然として黒字を維持しているが、利益面ではAIへの大型投資の影響が出ている。
主な指標は以下の通り。
ただし純利益は前年から大きく減少しており、AIクラウド、半導体、計算インフラ、自動運転などへの投資が利益を圧迫している。
AIインフラ事業は広告よりも利益率が低いことが多く、成長期には利益率が一時的に縮小するケースが多い。
AIのもう一つの柱である自動運転事業も着実に拡大している。
百度のロボタクシープラットフォームApollo Goは、2026年Q1に
約320万回の完全無人走行ライド
を提供した。
中国の複数都市で展開が進んでおり、自動運転技術の商業化に向けた重要なステップと見られている。
今回の決算は、百度がまさに構造的な転換の途中にある企業であることを示している。
かつては検索広告が収益の中心だったが、現在は
・AIクラウド
・企業向けAIサービス
・AIアプリ
・自動運転
といった分野が急速に拡大している。
特にAI収益がコア事業の半分を超えたことは象徴的な出来事だ。
今後の焦点は、AIクラウドや企業向けAIサービスが広告事業に代わる持続的で高収益な成長エンジンになれるかという点になる。もしそれが実現すれば、百度は「検索企業」から中国を代表するAIプラットフォーム企業へと本格的に転換する可能性がある。