Arbitrum Oneで追跡されるトークン化された実物資産(RWA)は、2026年8月半ばの約3,000件から、9月には7,083件へ増えました。およそ6週間で倍増した計算です。株式や米国債に連動する商品など、オンチェーンで扱われる金融商品の幅が広がったことが背景にあります。
ただし、資産の「件数」が多いことと、オンチェーンに集まる価値が最大であること、あるいは多くの投資家が活発に取引していることは同じではありません。数字を読む際は、資産数、価値、移転額、保有者数を分けて見る必要があります。
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まず押さえたいポイント
- 資産数は短期間で急増: Arbitrum Oneは、およそ6週間で追跡対象のRWAが7,000件を超えました。
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- 株式や米国債の商品が種類を広げた: Robinhoodの株式トークンや、機関投資家向け発行体の商品がカタログの拡大に寄与しました。
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- 価値や移転額は別の指標: RWA.xyzの9月18日時点の集計は、分散資産価値10億3,000万ドル、30日間の移転額10億5,000万ドル、RWA保有者11,597人でした。これらの数字だけで、幅広い投資家への普及が証明されるわけではありません。
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何が資産数を押し上げたのか
情報源が挙げているのは、トークン化された株式と米国債商品です。Robinhoodの株式トークンが株式商品の幅を広げたほか、Arbitrum DAOの「Stable Treasury Endowment Program(STEP)」では、Franklin Templeton、Spiko、WisdomTreeが次の配分先として選ばれました。
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STEP 2では、これら3社のトークン化された米国債商品に向けて、追加で3,500万ARBを充てることが承認されました。これは、DAOがArbitrum上のRWA商品や発行体を支援していることを示します。一方、この決定がネットワーク上で追跡される資産数の急増を直接引き起こしたとまでは、資料から確認できません。
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また、資産数は商品カタログの広さを示す数字です。同じ原資産をもとに複数のトークン商品やバージョンが存在することもあり、件数から個々の商品が集めた資金や市場での利用状況までは分かりません。
価値・移転額・保有者数が示すもの
RWA.xyzの9月18日時点の集計では、Arbitrum上のRWAは7,083件、分散資産価値は10億3,000万ドル、30日間の移転額は10億5,000万ドル、保有者数は11,597でした。保有者数は前の30日間から18.29%増、30日間の移転額は17.21%増とされています。
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それぞれが表すものは異なります。
- 分散資産価値は、ネットワーク上で発行された資産の価値を示す推計値です。資産の件数や、売買のしやすさを直接表すものではありません。
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- 30日間の移転額は、対象期間中に移動した価値の合計です。新たに流入した投資資金や、取引高と同じ意味ではありません。
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- 保有者数は追跡対象となる保有者の数であり、必ずしも実際の個人数を示しません。
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Arbitrum上のトークン化株式を個別に分析した資料も、発行額と市場への広がりを同一視できないことを示しています。同資料によると、発行されたトークン化株式は42億4,000万ドル相当でしたが、発行体以外が保有していたのは2,610万ドルでした。ただし、これはArbitrum上のすべてのRWAではなく、トークン化株式に関する分析です。ネットワーク全体の商品に一般化することはできません。
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資産数の首位は、価値の首位とは限らない
今回の節目が示すのは、あくまで追跡対象となる資産の「件数」です。RWA.xyzのネットワーク集計では、ネットワーク全体の分散RWA価値は385億9,000万ドルで、Arbitrumの数値は10億3,000万ドルでした。同じ集計で、Ethereumの分散資産価値は約165億4,000万ドルです。資産数で先行しても、価値の規模で先行するとは限らないことが分かります。
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つまり、商品カタログの拡大と、資本が集まる規模や利用の広がりは別のものです。追跡される商品が多いネットワークでも、オンチェーンの資産価値全体で最大とは限りません。
STEPとArbitrumの立ち位置
Arbitrum OneはEthereumのレイヤー2ネットワークです。Ethereumのエコシステムに属する一方、RWAの件数や価値は他のネットワークとは分けて集計されます。
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DAOのSTEPは、ArbitrumのRWA戦略を示す取り組みの一つです。STEP 2では、トークン化された米国債商品向けに3,500万ARBを充てることが承認され、Franklin Templeton、Spiko、WisdomTreeが選ばれました。これはエコシステム支援の証拠ですが、約6週間の件数増加の原因がSTEPだったと証明するものではありません。
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また、Arbitrum OneとRobinhood Chainを混同しないことも重要です。Robinhood ChainはArbitrumの技術を使って構築された別のネットワークです。RobinhoodのトークンはArbitrum One上で扱われてきましたが、別チェーン上の活動をArbitrum Oneの指標に加えることはできません。
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この節目で分かること、分からないこと
7,083件という数字は、Arbitrum Oneで追跡されるRWAのカタログが短期間で大きく広がったことを示しています。資産価値や移転額、保有者数も参考になりますが、それだけで流動性、幅広い保有状況、個々のトークンの条件まで分かるわけではありません。発行体、保管方法、原資産との関係などは商品ごとに確認が必要です。トークン化商品は、その仕組みが一律ではありません。
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現時点で言えるのは、Arbitrum OneがRWAの件数で存在感を高めたということです。一方、市場の規模や利用の広がりを評価するには、件数とは別の指標を見ていく必要があります。