| 16GB GDDR6 |
| メモリインターフェース | 256-bit | 256-bit |
| Infinity Cache | 64MB | 64MB |
| ブーストクロック | 最大3.0GHz | 最大2.5GHz |
| Total Board Power | 304W | 220W |
| 発売時の推奨価格 | 599ドル | 549ドル |
RX 9070 XTは64基のコンピュートユニット、4,096基のシェーダーを備えます。標準モデルのRX 9070は56基のコンピュートユニットと3,584基のシェーダーを搭載します。消費電力の目安となるTotal Board Powerも、XTが304W、RX 9070が220Wと大きく異なります。
レイトレーシングを使わない一般的なゲームでは、RX 9070 XTは価格帯を超えた性能を見せました。Digital Foundryの総合テストでは、RTX 5070 TiがRX 9070 XTを1440pで約3%、4Kで約5%上回りました。
RTX 5070 Tiの発売価格は749ドルで、RX 9070 XTより150ドル高く設定されていました。そのため、平均性能の差が数%にとどまったことを考えると、RX 9070 XTの価格性能比は非常に魅力的でした。
Tom’s Hardwareの比較でも、ラスタライズゲームにおけるRX 9070 XTはRTX 5070に対して、1440pで約21%、4Kで約29%高速でした。ただし、実際の差はゲームやテスト環境によって変動します。
RX 9070も同様に健闘しています。PCWorldの複合テストでは、1440pにおいてRTX 5070を約8%上回りました。ただし、非常に負荷の高いレイトレーシングタイトルを含めるかどうかで結果は変わります。
つまり、1440pまたは4Kで主に通常のラスタライズゲームをプレイするなら、発売時の評価は明快でした。RX 9070はRTX 5070に対する強力な代替候補であり、RX 9070 XTはRTX 5070 Tiに近い描画性能を、より低い価格で提供したのです。
RDNA 4では、Radeonの弱点だったレイトレーシング性能が大きく改善されました。RX 9070シリーズは第3世代のレイトレーシングアクセラレーターを採用し、従来世代より明確に高い性能を発揮しています。比較的軽いRT処理では、NVIDIA製品と競える場面もありました。
しかし、RX 9070 XTがRTX 5070 Tiの完全な代替になったわけではありません。複雑なレイトレーシングやパストレーシングを採用するゲームでは、NVIDIAの優位性が依然として大きく、Radeonがさらに引き離されるケースもありました。PCWorldも、軽いRT処理では好成績を評価しつつ、複雑なRTシーンではNVIDIAに大きく後れを取ると指摘しています。
購入の判断は、プレイするゲームの傾向で分かれます。
ここで重要なのは、RX 9070 XTがGDDR7ではなくGDDR6を採用している点です。AMDのパートナー向け価格変更について報じられたのは、グラフィックスカードメーカーに供給されるGPUとGDDR6メモリのセット価格でした。
2026年の報道では、AMDがボードパートナー向けのキット価格を約10%引き上げたとされ、RX 9000シリーズ全体では10~15%程度の値上げが計画されているとの情報も出ています。ただし、これは流通段階の調達コストの変更であり、すべてのRX 9070 XT製品について米国公式MSRPが一律に改定されたことを意味するものではありません。
背景には、メモリ市場全体の需給逼迫があります。AIインフラ向けの需要が強まり、メモリメーカーがより高い利益を見込めるHBMやサーバー向けメモリに生産能力を振り向けたことで、コンシューマーGPUに使われるメモリのコストや供給にも圧力がかかりました。GDDR6はHBMやGDDR7とは別の規格ですが、同じメモリ市場の影響を受けます。
電源回路、冷却機構、ボードパートナーの生産能力といったカード側の要素も、最終的な販売価格や在庫に影響する可能性はあります。しかし、AMDの価格変更について直接報じられた説明は、主にGPUとメモリのセット価格に関するものでした。これらの部品が値上げの主因だったと断定できる十分な公的根拠は確認されていません。
2025年3月の発売時点で、RX 9070 XTはAMDにとって近年でも特に強力な価格性能比を持つGPUでした。599ドルで、749ドルのRTX 5070 Tiに近いラスタライズ性能を実現したためです。RX 9070も、549ドルのRTX 5070に対して通常のゲームで強い結果を示しました。
ただし、弱点も明確でした。高負荷のレイトレーシング、パストレーシング、省電力性、NVIDIAのソフトウェア機能を重視するなら、RTX 5070 Tiのほうが無難な選択です。また、2026年に報じられたメモリ関連のパートナー価格上昇により、発売時の599ドルは「魅力的な目標価格」ではあっても、実際に継続して購入できる価格とは限らなくなりました。