2026年10月28日の決算発表で浮かんだのは、AIエージェントの収益化に向けた異なるアプローチです。MicrosoftはCopilotの従量課金を使う顧客の増加を報告。一方のGoogleは、企業向けのエージェント体験を消費者にも広げる計画を示しました。
ただし、確認できるのは「有料利用の広がり」と「配布先を広げる構想」の違いです。どちらがより大きな利益を生むかを、今回の数字だけで判断することはできません。
Microsoft:従量課金を利用する顧客が増加
Microsoftによると、使用量に応じて料金が発生する「従量課金」でCopilotのクレジットを実際に使った顧客の数は、四半期で75%超増えました。
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これは従量課金を利用する顧客が増えたという指標です。クレジットの消費量や売上高が75%超伸びた、という意味ではありません。今回の発表資料からは、従量課金による売上や利益を切り分けて確認することもできません。
Microsoftの同四半期の売上高は923億ドルで、前年同期比19%増。会社全体では市場予想を上回りましたが、この数字もCopilotの従量課金だけの実績を示すものではありません。
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Google:企業向け体験を消費者へ
Googleのスンダー・ピチャイCEOは、企業向けエージェントと同じ体験を2026年後半に消費者向けにも提供し、Geminiアプリから始めると説明しました。
33 Alphabetは、Geminiアプリの利用者が10億人に達したとしています。
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この計画は、Googleがすでに持つ大規模なアプリの利用基盤をエージェント体験の展開先として生かす構想と読めます。一方で、エージェント機能を実際に使う人がどれほどいるのか、そこからどの程度の収益が得られるのかは、今回の数字からは分かりません。
Alphabetは決算説明会でGemini 4 Carbonを発表し、サイバーセキュリティや長時間にわたるタスクへの対応を特徴として挙げました。
4 ただし、利用コストを下げるための軽量化・蒸留モデルを発表したとは、提供された資料から確認できません。また、エージェント体験を新たな広告機会と位置づけたという説明も、今回の資料では裏付けられていません。
決算と株価の動きは、エージェント事業の採算を示すものではない
Alphabetの第3四半期売上高は1,276億ドルで、前年同期比25%増でした。
14 CNBCが示した市場予想の1,282億2,000万ドルは下回った一方、別の報道ではほぼ予想どおりとされています。比較に使う予想値によって評価に違いがあります。
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決算発表後の時間外取引では、Microsoft株が5%超上昇し、Alphabet株は10%超下落しました。
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6 ただし、株価は決算全体や今後の見通しを含めて反応したものです。この動きだけで、AIエージェント戦略の優劣や採算性を測ることはできません。
現時点の違いは「利用課金」と「配布の広がり」
今回確認できる対比は、Microsoftが従量課金を使うCopilot顧客の増加を示したのに対し、Googleは企業向けエージェント体験を消費者へ広げる計画を示したことです。Microsoftには課金利用に関する足元の指標があり、GoogleにはGeminiの利用者基盤を生かす展開構想があります。
しかし、顧客数の増加だけでは収益額や利益は分からず、利用者の多さだけでもエージェント機能の定着や収益化は証明できません。どちらの企業も、AIエージェント事業の収益性が確立したと結論づけるには、追加の実績が必要です。