長距離路線を強みとするカタール航空は、2026年2月末に空域閉鎖で運航停止を余儀なくされた後、ドーハを拠点とするネットワークの再建を進めている。
主な再開・拡大の動きは次の通り。
さらに同社は、2026年半ばまでに世界120以上の都市へ運航する体制に戻す計画を示している。
ただし、一部の路線はまだ減便状態で、機材の配置や乗務員スケジュールを再構築しながら徐々に便数を増やしている段階だ。
バーレーンの国営航空会社ガルフエアも、同様に段階的な回復戦略を取っている。
路線復旧は波状的に行われており、まず湾岸地域や需要の高い都市を再開。その後、欧州やアジアの都市へと拡大している。
湾岸の航空会社が比較的早く運航を戻しているのに対し、海外航空会社は安全評価を理由に慎重な姿勢を取っている。
例えば、
多くの国際航空会社は、政府や航空当局の安全勧告、保険条件、空域の安定性などを確認しながら再開時期を判断している。
空域が再開しても、航空業界がすぐに通常状態へ戻るわけではない。主な理由は次の通りだ。
安全勧告と規制
欧州航空安全機関(EASA)などは湾岸空域に関する注意喚起を継続しており、一部の航空会社は運航を制限されている。
地政学的な不安定さ
停戦は成立しているものの、2026年にはミサイルやドローン攻撃の報告もあり、情勢が急変する可能性が指摘されている。
航空会社の運航上の複雑さ
航空機の配置、乗務員の勤務計画、整備サイクル、ハブ空港での乗り継ぎ波(接続便の時間構造)などを再構築する必要がある。
旅客需要の回復
大きな混乱の後は予約が回復するまで時間がかかるため、航空会社は供給過剰を避けるために段階的に便数を増やす。
現在の状況は、いわば段階的な航空回復だ。
ドバイ、ドーハ、バーレーンといった湾岸ハブは先行して運航を再開し、欧州・アジア・アフリカを結ぶ接続網を徐々に復旧させている。一方で、多くの海外航空会社は安全評価を優先し、より慎重に路線を戻している。
情勢が安定すれば、湾岸航空会社のネットワークは2026年半ば頃までに紛争前の水準に近づくとみられる。ただし、世界の航空路線が完全に正常化するかどうかは、今後の地政学的安定と安全勧告の解除に大きく左右される。