ただし重要なのは、そこで言う「Chinese」が、そのまま「繁体字中国語のポスター」「香港向け看板」「台湾向けSNS画像」を逐字レベルで安定して正しく作れる、という証明にはならない点です。公開資料には、繁体字だけを対象にした精度、香港・台湾での表記差、簡体字との混在、句読点、字間、小さな文字の可読性、看板を遠くから見た場合、SNSで圧縮された後の見え方までを体系的に検証したデータは示されていません。
| 確認したいこと | 現時点の根拠 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 多言語テキスト生成は改善しているか | OpenAI公式ページには多言語テキストを含む例があり、OpenAIDevsの投稿要約もgpt-image-2がmultilingual text renderingを改善したとしています。 | 多言語テキストは明確な改善領域。ただし、すべての言語で商用品質という意味ではありません。 |
| 中国語も扱えるのか | メディア報道では、Japanese、Korean、Chinese、Hindi、Bengaliなどの文字を画像内により高い精度で生成できるとされています。 | ここでのChineseは、簡体字・繁体字、香港表記・台湾表記を分けて評価したものではありません。 |
| ポスターや図解、漫画に使えるのか | OpenAIDevsはdiagrams、infographics、charts、comics、multi-panelに言及し、報道でもposters、explainers、diagrams、comicsが挙げられています。 | 文字が多いビジュアルの試作には向きます。ただし、正式な広告・看板・SNS投稿を無校正で出せる根拠にはなりません。 |
| 旧モデルの評価から推測できるか | OpenAI APIドキュメントではGPT Image 1は以前の画像生成モデルとされ、OpenAIはGPT-4o image generationについて正確な文字レンダリングに優れると説明していました。 | 製品の流れを理解する材料にはなりますが、GPT Image 2の繁体字精度を直接証明するデータではありません。 |
要するに、GPT Image 2/ChatGPT Images 2.0は前世代より文字入りデザインの初稿に向いている可能性があります。しかし、公開されている根拠だけでは「繁体字中国語をゼロ校正でそのまま商用利用できる」とまでは言えません。
繁体字中国語のデザインで怖いのは、まったく読めない文字よりも「一見それらしいが、1〜2文字だけ違う」状態です。ポスター、看板、メニュー、広告画像、イベント告知では、1文字の誤りが価格、住所、日付、ブランド名、利用条件の誤解につながります。
出稿前には、少なくとも次の点を確認してください。
公開情報が示しているのは、多言語テキストレンダリングの改善です。一方、商用の繁体字素材で必要なのは、文字単位の正確さ、版面の安定性、最終サイズでの可読性です。この部分は、まだ人間による確認が欠かせません。
こうした素材で誤字が出ると、単に画像を作り直せば済むとは限りません。再印刷、広告素材の差し替え、イベント情報の訂正、顧客の誤解といったコストが発生します。
おすすめは、GPT Image 2を「最終組版ツール」ではなく「ビジュアル生成ツール」として使うことです。
この流れなら、AI生成の速さを活かしながら、未検証の繁体字テキストをそのまま商用面に出してしまうリスクを下げられます。
以下は社内テスト向けのプロンプト例です。目的は、モデルを信じ切ることではなく、誤字、抜け字、簡体字混入、小さな文字の読みにくさを見つけやすくすることです。
4:5のInstagram宣伝画像を生成してください。スタイルは、現代的な香港のカフェポスター。暖色の照明、すっきりしたレイアウト。
以下の繁体字中国語だけを使用してください。ほかの文字は追加しないでください。文字を変更しないでください。簡体字は使わないでください。
主標題:週末手沖咖啡日
副標題:兩杯同行,第二杯半價
日期:6月15日至6月16日
地點:中環皇后大道中88號
備註:每日限量50份,售完即止
文字の条件:
- すべての中国語は繁体字にする
- 句読点、数字、住所を完全に一致させる
- 主標題を最も大きく、副標題を次に大きく、備註は最も小さくする。ただし備註も明確に読めるようにする
- 偽字、誤字、文字化け、余計な英語を出さない
検証するときは、最初の印象で「中国語らしく見えるか」を見るだけでは不十分です。出力画像を原稿と照らし合わせ、誤字、抜け字、簡体字、変形した字、小さすぎて読めない文字、改行や位置のずれを記録してください。数回うまくいったとしても、正式な商用版では人間による組版と最終校正を残すのが安全です。
GPT Image 2/ChatGPT Images 2.0は、多言語テキストレンダリングや文字量の多いビジュアル生成で明確に改善が進んでいると見られます。公開情報でも、中国語を含むテキスト、ポスター、図解、コミックといった用途が言及されています。
しかし、繁体字中国語のポスター、香港向け看板、Instagram宣伝画像における逐字精度について、現時点の公開情報だけでは「安定して、校正なしで、そのまま商用利用できる」とは判断できません。
実務上の答えは、アイデア出し、構図案、ビジュアルコンセプトには使える。ただし公開・印刷・広告出稿の前に、繁体字テキストは必ず逐字校正し、できればデザインツールで文字を組み直す、です。