アップル株がさらに市場を上回る可能性はある。ただし、単純に強気になれる局面ではない。報じられた株価324.96ドルでは、投資家は9月9日の製品発表に対し、iPhoneの高価格帯構成を拡大しながら需要や利益率を損なわずに維持できることを求めている。
14
アップルは、カリフォルニア州クパチーノで9月9日に「Surprise and shine」イベントを開催すると確認した。ジョン・ターナスCEOの就任後初となる大型製品発表だ。アナリストやメディアは新型iPhoneや同社初の折りたたみ型スマートフォンを予想しているが、招待状には製品、仕様、価格は記されていない。
21
31
なぜ9月9日の発表が株価に重要なのか
折りたたみ型iPhoneが意味を持つかどうかは、発表当日の話題性よりも、新たな高価格帯需要をどこまで上乗せできるかにかかっている。強気派の見方では、新しいフォームファクターが高額モデルの販売構成を押し上げ、買い替えを促し、既存のProモデルから顧客を移すだけでない増収につながる。
市場データで紹介された強気のアナリスト試算には、折りたたみ型モデルがアップルの12月期に約140億ドルの売上高をもたらすというものがある。ただし、これは会社予想ではなくアナリストのシナリオであり、確定的な見通しとして扱うべきではない。
20
株式市場が見極めるポイントは、次のように整理できる。
- 高価格でも需要を落とさずに売れるか。
- 十分な台数を早期に供給できるか。 納期の長期化は需要の強さを示すこともある一方、供給不足の表れでもある。
- 高価格帯の販売構成を純増させられるか。 折りたたみ型がProの販売を置き換えるだけなのか、新たな高額支出を取り込むのかで業績への影響は変わる。
- 粗利益率を維持できるか。 部品コストの上昇局面では、価格設定と販売構成がとりわけ重要になる。
Jefferiesの格下げが示す懸念
Jefferiesはアップルの投資判断を「ホールド」から「アンダーパフォーム」へ引き下げ、目標株価を285.56ドルから263.66ドルへ下げた。同社はサプライチェーン調査を根拠に、2027年に計画されていたオールガラスiPhoneが低歩留まりを理由に中止されたと述べた。アップルはこの報道を確認していない。
1
4
弱気論の本質は、うわさの1機種が出ないかもしれないという一点ではない。Jefferiesは、将来の超高価格モデルがなくなれば、部品コストが上がるなかでiPhoneの平均販売価格を引き上げ続けることが難しくなると懸念している。同社はこのオールガラスモデルの平均販売価格を約2060ドルと見積もっていた。
5
6
株価324.96ドルに対し、Jefferiesの目標株価263.66ドルは約19%の下落余地を示す計算になる。目標株価はあくまでアナリストの見解であって予言ではないが、投資判断がアップルの将来的な価格決定力に大きく左右されていることは示している。
1
14
追加上昇を支える条件
強気シナリオが説得力を持つのは、9月の製品戦略が3点を示せた場合だ。すなわち、買い替える理由が十分にあること、プレミアム構成を支える価格設定であること、そして利益率への圧力を抑えられる見通しである。初の折りたたみ型モデルが成功すれば、高価格帯ロードマップが弱まったというJefferiesの見立てに直接反証となり得る。
また、オールガラスiPhoneの報道はより先の時期に関わる論点だ。短期的な市場の反応は、発表価格、Proモデルや折りたたみ型モデルの需要、初期供給の状況、12月期に向けた経営陣の見通しに左右される可能性が高い。
想定を下回るリスク
市場の期待が高いだけに、「悪くない」発表だけでは足りない可能性がある。折りたたみ型モデルが供給制約に直面する、価格が高価格帯の需要を超える、利益率を押し下げる、あるいは既存Proモデルの購入を主に奪うだけなら、株価は伸び悩み得る。部品コストを補うための値上げも、買い替え台数を減らすリスクを伴う。
重要なのは情報の線引きだ。アップルが確認したのはイベントの開催であり、うわさされる折りたたみ型モデルの存在、名称、仕様、価格ではない。投資家は確定したイベント情報と、報道やアナリストの試算を分けて判断する必要がある。
21
31
結論:上昇継続はあり得るが、裏付けが必要
アップル株が市場を上回り続ける展開は十分にあり得る。ただし、その根拠が強まるのは、発表が目に見えるプレミアム需要と持続的な利益率につながる場合に限られる。9月9日のイベントは証明そのものではなく、検証の出発点だ。
発表後の明確な確認材料は、価格とストレージ構成、予約需要と配送予定日、製品供給の状況、そしてアップルが示す12月期の売上高・粗利益率見通しとなる。これらが強ければJefferiesの見立てへの反論材料になり、弱ければ株価に織り込まれた高い期待を正当化しにくくなる。