キックボクシング界のスターとして知られるフェルフーフェンがボクシングの大舞台に登場したこの試合は、事前予想以上に拮抗した内容となった。体格と前進圧力を武器に、序盤から中盤にかけて王者ウシクに難しい展開を強いた。
公式結果は、オレクサンドル・ウシクが11回TKO勝利。レフェリーが試合を止めたのはラウンド残りわずか1秒というタイミングだった。
終盤、ウシクは強烈な右アッパーをヒットさせフェルフーフェンからダウンを奪う。フェルフーフェンはカウント内に立ち上がったものの、その直後にレフェリーが試合をストップした。
このフィニッシュはすぐに議論の的となった。
報道によれば、フェルフーフェンは立ち上がり試合続行の姿勢を見せていたにもかかわらず、レフェリーが介入して試合を止めたとされる。しかもラウンド終了まで残り1秒という状況だったため、「ラウンドを乗り切れた可能性があった」と指摘する声も多い。
一部のライブ採点では、終盤まで試合が拮抗していた、あるいはフェルフーフェン優勢と見る評価もあり、ストップのタイミングが議論をさらに大きくしている。
それでも、最後に主導権を握ったのはウシクだった。
序盤から中盤にかけては慎重な戦いぶりが目立ったが、試合が進むにつれて持ち前のリングIQとタイミングの良さを発揮。終盤にかけて攻撃の精度を高め、流れを引き寄せた。
特に印象的だったポイントは次の通り。
この終盤の爆発力は、ウシクがこれまでのキャリアでも何度も見せてきた「後半に強い王者」の姿そのものだった。
敗れたとはいえ、フェルフーフェンのパフォーマンスも高く評価されている。
長年キックボクシング界のトップに君臨してきた彼は、サイズとフィジカルを活かしたプレッシャーでウシクに簡単な試合をさせなかった。特に最初の10ラウンドでは、ボクシングのエリートレベルでも十分戦えることを示した。
主な見どころは次の通り。
記録上は、ウシクが11回TKOで王座防衛に成功した試合となる。
しかし実際には、試合の評価は「勝敗」よりもレフェリーのストップが妥当だったかどうかという議論に集中している。
ウシクにとっては無敗記録と王者の地位を守る勝利。一方フェルフーフェンにとっては、議論を残しながらもトップレベルのボクサー相手に十分戦えることを証明した一戦となった。
壮大な舞台、終盤のダウン、そして賛否を呼ぶフィニッシュ――この試合は、しばらくボクシング界で語り継がれる一戦になりそうだ。