ノキアをめぐる投資判断の焦点は、AI関連ネットワーク機器への需要が強いかどうかだけではありません。注文を受けた製品を十分な量だけ生産し、納入して、売上や利益に結びつけられるかが問われています。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)はノキアの「買い」判断を維持し、目標株価を16ユーロに据え置きました。同社の分析時点の株価と比べて約90%の上昇余地に相当するとしています。ただし、通期見通しの引き上げがあり得るかは、ノキアが追加の生産能力を確保できるかどうかにかかっています。
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第3四半期、アナリスト予想は増収・小幅増益
FactSetのコンセンサス予想では、第3四半期の売上高は50億5,800万ユーロ。前年同期の47億ユーロから約7.6%増える見込みです。この売上高予想は23人のアナリストによるものです。調整後営業利益は4億6,200万ユーロで、前年同期の4億4,800万ユーロから約3.1%増の予想。こちらは21人の予想に基づいています。
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ノキア自身は、第2四半期から第3四半期にかけて売上高が3~7%増加し、比較可能営業利益はおおむね前四半期並みになるとの見通しを示しています。利益の推移にはソフトウェア収益の計上時期も影響するとされていますが、提供された情報からは具体的な計上時期までは確認できません。
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AI関連受注は20億ユーロ超の見込み。ただし前四半期を下回る
決算発表を前に、BofAは第3四半期のAI関連受注が20億ユーロを超えると予想しています。内訳は光ネットワークが少なくとも16億ユーロ、スイッチが4億ユーロです。見込み額は、第2四半期にノキアが報告したAI・クラウド関連受注の28億ユーロを下回ります。
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受注額は需要の強さを示す一方、それだけで納入や売上計上の速さが分かるわけではありません。BofAは、追加のスイッチ案件や、エヌビディアとのAI-RAN協業も成長機会として挙げています。AI-RANとは、携帯端末と通信事業者のネットワークをつなぐ無線アクセスネットワークにAIを活用する考え方です。いずれも成長の可能性を示すもので、短期の売上高を具体的に約束する数字ではありません。
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強気シナリオの分岐点は生産能力
BofAの見方では、需要があるだけでは成長は実現しません。顧客からの注文に応えられる供給体制が必要です。追加の生産能力を確保できれば通期見通しを引き上げる可能性があるとする一方、決算前の報道では光関連製品の供給制約や、より広いサプライチェーン上の懸念も指摘されています。
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決算前の報道では、ジャスティン・ホタードCEOが、供給制約を受けて顧客がより長期の注文を出すようになっていると述べたと伝えられています。長期の受注は需要が続いている可能性を示す一方、供給が限られれば受注から売上への転換が遅れるリスクも浮き彫りにします。
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16ユーロの目標株価を支える評価方法
BofAの目標株価は、事業ごとに価値を見積もる「サム・オブ・ザ・パーツ(SOTP)」方式に基づきます。報道された内訳では、光ネットワークとIPネットワークに2028年予想EBIT(利払い・税引き前利益)の30倍、その他の事業に同10倍の企業価値/EBIT倍率を適用しています。ネットワーク事業に高い倍率を置くのは、成長機会を評価しているためです。ただし、これはBofAの評価上の前提であり、将来の業績を保証するものではありません。
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約90%という上昇余地は、分析時点の株価を基準にしたBofAの試算です。将来の株価上昇を約束する数字ではありません。
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通期見通しと株価の反応も確認
ノキアが示している2026年通期の比較可能営業利益の見通しは、21億~26億ユーロです。会社によると、見通しレンジを1億ユーロ変更したのは非継続事業への分類変更に伴う技術的な修正で、事業運営上の見通しは変わっていません。BofAが想定する追加の上方修正シナリオはこれとは別で、生産能力を確保できるかが条件です。
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前回の第2四半期決算では、調整後1株利益は市場予想を上回った一方、売上高は予想をわずかに下回ったと報じられています。
43また、10月13日付の報道は、その時点でノキア株が年初来52%上昇していたと伝えました。これは当時のスナップショットであり、現在の騰落率を示すものではありません。FactSetの集計では、第2四半期決算発表日の株価は5.1%下落、第1四半期の発表日には6.3%上昇しており、決算後の値動きは一方向とは限りません。
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決算発表とウェブキャストの時刻
ノキアは2026年10月22日、2026年第3四半期および1~9月期の報告書をフィンランド時間(EEST)の午前8時ごろに公表する予定です。アナリスト向けウェブキャストは同日**午後3時(EEST)**に予定されています。
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投資家にとっての核心は、AI関連の需要を、納入可能な製品と実際の事業成長へどこまで転換できるかです。16ユーロの目標株価と通期見通し引き上げの可能性は、その実行力を前提としています。受注額だけでは、生産能力の課題が解消したかどうかは判断できません。